土地家屋調査士の新田です。※※2022/3/31追記 「Drogger Processor(ベータ版)検証結果」も公開しております。Drogger Processorの登場により、下記に記載しております注意点を留意する必要が無くなっております。
ビスズテーション株式会社様から発売しております、安価で高精度のGNSSレシーバー【DG-PRO1RWS】について、気になっている方も多いと思います。(特に同業者の方)
現在、RWXを入手して検証中です。
補正データサービスを利用したVRS及び後処理によるスタティック測位で使用検証しており、評判通りの高精度で測位が可能です。(ミリ~センチ誤差)
但し、私の地域(宮城県石巻市)だけでしょうか?「高精度スタティック測位」後、こちらのサイトの説明通りに計算しますと、誤差が大きくなるようです。また、数か所計測した数値を確認すると一定方向にズレているように感じました。
設定値等も変更してみましたが、納得のいく結果を得られませんでした。
VRSでの測位では、スタティック測位のような大きな誤差が発生しないことから、機器によるものではなく、計算及び使用する数値にあると思い、再度、検証したところ、原因が分かりました。
それは、計算で使用する電子基準点の座標です。
最新の今期座標を使用するように説明(【電子基準点アンテナ位置データの取得】という箇所)されていますが、ここを変更することで、納得のいく結果を得られました。
※大前提として、元期の基準点を元に「元期座標」として使用することを想定した場合です。
それは、今期の座標を使用する際に、最新の今期座標(取得したデータ)では無く、元期座標(電子基準点)からセミダイナミック補正により、計算した今期座標を使用するということです。
一例として、
◆電子基準点【河北】<宮城県石巻市>
・元期から今期に変換した値 X:-165317.9709 Y:41088.2204
・日々の座標値(2022/1/1) X:-165318.0207 Y:41088.3069
※日々の座標値は、緯度・経度から平面直角座標系へ変換した値です。
●今期座標値の差⇒X:0.050 Y:-0.087
◆電子基準点【松本】<長野県松本市>
・元期から今期に変換した値 X:26643.5407 Y:-46329.2021
・日々の座標値(2022/1/1) X:26643.5412 Y:-46329.1866
※日々の座標値は、緯度・経度から平面直角座標系へ変換した値です。
●今期座標値の差⇒X:0.000 Y:-0.016
この結果から、地域によって「計算上の今期座標」と「実測上の今期座標」の差が大きく異なるということが分かりました。
恐らく、その原因は地域的な問題ではないかと考えております。私の住む地域は、東日本大震災の震源地に近いことから、ご存じの通り大きな地殻変動が起こりました。
その影響が大きいことから、このような結果になったのではと推測しております。
※一個人の推測であることをご承知おきください。
もし、私と同様に納得のいく結果が得られない場合は、上記の方法で試してみるのも有りではないでしょうか?
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