当事務所で行っております「土地の測量」には大きく分けて、3種類の測量が存在します。
その違いについて詳しく解説していきます。
1.境界確定測量(境界確認測量)
土地の境(筆界)を明確にするための測量です。
対象の土地に隣接する土地の所有者から境界立会いや境界確認書類への押印、土地境界確認図を作成します。(※作業内容として、現況測量も含まれます。)
メリット
土地の境を明確化することにより、今後の境界間トラブルを未然に防ぐことができます。特に土地の売買時には、安心して取り引きが出来るようになります。
デメリット
土地の広さや形状も関係しますが、日数(2か月以上)と費用(数十万円)が思った以上に掛かります。
2.現況測量
土地に存在する地物(ブロック塀や側溝、建物など)の位置を計測し、現地の状況を図面化(平面図の作成)にするための測量です。(※作業内容として、簡易測量も含まれる場合もあります。)
メリット
「現況平面図」といった2次元の図面として、表現することで現地状況の把握が容易になります。また、造成工事や土地境界確定の基礎資料となります。
デメリット
基礎資料となる「現況平面図」を作成するための測量であるため、目的があって始めて利用価値が生まれることから、単体での利用価値が薄い。(設計をするために必要、土地の境を考察するために必要など)
3.簡易測量
指示された場所を計測し、距離や面積を調査するための測量です。
おおよその土地の形状を計測し利用範囲の面積を把握したり、境界より建物の一部が越境しているかなど調査することができます。
メリット
費用を抑えて、特定の目的を達成することができます。
(例えば、境界標が無いがブロック塀があるので、その部分を計測し、おおよその土地の面積を知りたい場合など)
デメリット
正確性が担保できないこと。(主観による位置の計測となるため)
【番外編】復元測量(境界復元)
境界標(杭など)が見当たらない場合に、正確な図面を元に新たに境界標を設置することです。
正確な図面は無いが、境界標を設置(復元)したい場合は、境界確定測量(境界確認測量)が必要となりますのでご注意ください。
まとめ
目的により必要な測量があることを解説させていただきました。
個人で「〇〇測量をお願いしたい」とお願いするよりも、専門家に目的(要望)を伝えることで、最適な調査・測量をご提案することが可能です。
不明な点は、お近くの土地家屋調査士までお問い合わせください。
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