相続した土地を売却したい(手放したい)が「買い手が見つからない」など、お困りではないでしょうか?
そのような相続した土地を国に引き取ってもらえる方法として「相続土地国庫帰属制度」があります。
この制度を利用するに当たり、条件がありますので解説していきます。
相続土地国庫帰属法「第2条3項」の却下事由について
正式名称は「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」と言いますが、その法律の「第2条3項」に承認申請の却下事由(5つ)が記載されています。
- 建物の存する土地
- 担保権又は使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地
- 通路その他の他人による使用が予定される土地として政令で定めるものが含まれる土地
- 土壌汚染対策法(平成十四年法律第五十三号)第二条第一項に規定する特定有害物質(法務省令で定める基準を超えるものに限る。)により汚染されている土地
- 境界が明らかでない土地その他の所有権の存否、帰属又は範囲について争いがある土地
実際、売却したい(処分したい)土地について、1~4の条件はクリアされているものと思われます。
また、5の「境界が明らかではない土地」ということが条件を難しくしているようにに感じられますが、「土地の境に争いがない」ということが条件となります。
※2.について登記簿には記載されていない権利が設定されている場合もありますので注意が必要です。
相続土地国庫帰属法「第5条1項」の不承認事由について
「法第5条1項」では、以下の5つの条件に該当しない場合は承認をしなければならないとしています。
- 崖(勾配、高さその他の事項について政令で定める基準に該当するものに限る。)がある土地のうち、その通常の管理に当たり過分の費用又は労力を要するもの
- 土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存する土地
- 除去しなければ土地の通常の管理又は処分をすることができない有体物が地下に存する土地
- 隣接する土地の所有者その他の者との争訟によらなければ通常の管理又は処分をすることができない土地として政令で定めるもの
- 前各号に掲げる土地のほか、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地として政令で定めるもの
要約しますと、対象地に「崖がないこと」、「更地であること」、「地下に構造物等がないこと」、「隣接間で争いがないこと」、「管理するに当たり、通常よりも費用&労力が必要ではないこと」ということになります。
相続土地国庫帰属制度を利用をする際の注意点
土地の境が分かり、平地の更地であれば制度を利用できることが分かりましたが、注意が必要な土地があります。
土地売買の場合もそうですが、農地や森林については法による制限がありますので、関係各所へご相談の上、相続土地国庫帰属制度をご利用ください。
また、土地の境界について不明な点がある場合は、お近くに土地家屋調査士へご相談ください。
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